カラムのコラム (Columns for Columns)

 

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はじめに

2000/05/30

 


自己紹介めいたお話をひとつ。
HPLCカラムとつきあって約20年が流れました。ODSカラムが登場して約30年ですから比較的早いほうだと思います。学生時代はオープンカラムクロマトを「厭になる」ほどやっていましたので,実際クロマトグラフィーとつきあって25年になります。この間,エンドユーザーやメーカーにも属しておりましたから,LC全般に関していろいろと経験させていただきました。本コラムでは,業界のウラ話や失敗談なども含めて,いろいろとお話しさせていただけたらと思います。

本コラム「カラムのコラム」のページを作ろうと思い立ったのは,いくつか理由があります。
長い間この業界にいることが,それだけで皆さまのお役に立てることもあるのではないか,という思い。
近年のインターネットの発達により,時間や国境を超えた交流と速やかな情報提供ができる便利な道具を持ったこと。
仕事を多少離れた「カラム屋」としての本音を語る場がほしかったこと。
カタログや技術情報では書けなかった,開発カラムへの思い入れを多少なりとも書けたら,という希望。
そして,便利な電子メールにより,皆さまの忌憚のないご意見を直接うかがいたいこと。
以上のような理由から,本コラムを書かせていただこうと思います。
大胆にも会社のサイトを使っていますので,時には自社製品の宣伝もさせていただくことがあるかもしれません。

本コラムタイトルについて。
ご存じのように「カラム(column)」とは,「円柱」を意味する言葉ですが,同時に新聞の「コラム」と同じスペルで,「段」や「寄稿」をも意味しています。同じ英語でもカタカナ表記が異なるひとつの事例です。カラム分離においても,「段理論」が用いられていますから,「段」という意味では新聞用語に共通するものがあります。で,コラムを書く人が「コラムニスト」なら,カラムを語る人が「カラムニスト」でも良いのではないか,と考えました。国語辞典にはないでしょうが・・・

用語というのは,みんなが共通の認識を持つためのとても重要な言語要素です。
「column」のように,使う分野によって全然違う意味になることは,とても興味深いことです。
それぞれを最初に表記したのは,いったいどなたでしょうか。

(矢澤  到 / インタクト株式会社, YAZAWA Itaru / Imtakt Corp.)