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| クロマトグラフィー100年 (2003年) | ||
| クロマトグラフィーの創始者 Tswett 
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		現在の分離科学において中心的な役割を果たしている液体クロマトグラフィー。この手法が考案されて,今年(2003年)はちょうど100周年にあたります。 | 
 Copyright: Imtakt Corporation Courtesy of Dr. Olga Timonina, SBS2003, Russian Academy of Sciences | 
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		 クロマトグラフィーの誕生日 1903年3月21日。私たちクロマトグラファーにとって歴史的な記念日です。この日,Twsettは今の液体クロマトグラフィーの原点となる講演を,当時ロシア領であったワルシャワ(現ポーランド国)にておこないました。のちに「Tswett Method」と呼ばれる分離手法です。 [Tswettの最初のクロマトグラフィー報告, 1903年] 
		 研究背景 
		1860年代から植物学者による葉緑素の研究が始まりました。分光学的な研究もおこなわれていましたが,緑色をしたこの葉緑素は,どうも単一成分ではなさそうである,という学説が有力になり,1890年代には多くの学者が葉緑素研究に没頭しました。 クロマトグラフィーのアイデアは「ろ紙」から生まれた 当時は液-液抽出によって葉緑素成分を分離する方法が盛んであり,Tswettも各種溶媒に対する溶解性を検討していましたが,ある時石油エーテルとアルコールに溶解した葉緑素にろ紙片をつけると,着色物質はろ紙に「吸着」することに気がつきました。今で言うペーパークロマトグラフィーの始まりです。溶媒をアルコールに換えるとこれらの吸着した色素は抜け落ちます(溶出)。 
		「ろ紙(セルロース)には葉緑素を吸着する力がある」と考えたTswettは,このヒントを元に,いろいろな粉体を使ってこの「吸着」現象を確かめてみることにしました。たとえば,単体元素(S, Si, Zn, Fe, Alなど),その酸化物(SiO2, MgO, MnO2など),水酸化物(B(OH)2, NaOH など),無機塩(NaCl, MgSO4など)です。炭水化物や蛋白質も試しました。総数は100種類以上にも及びます。そして検討粉末の中には,現在の充てん剤の主流であるシリカゲル(SiO2)も含まれています。 | 
| Tswettによる世界初の液体クロマトグラフィー 
		選択した分離担体を用いて実際の「分離」をおこなう方法を考案しました。右図のように,先端を絞ったガラス管(カラム)に充てん剤(CaCO3)をガラス棒で細密に充てんし分離カラムを作りました。これをフラスコ(ドレイン)に固定し,上部には展開液(移動相)をのせるガラス容器(リザーバー)を取り付けました。これが世界初のクロマトグラフ(装置)です。 |   Tswettのクロマトグラフィー | 
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		Tswettは,これらの物質分離方法をクロマトグラフィー(  業績の評価 
		Tswettのクロマトグラフィーは,いうまでもなく,現在の分離分析手法の原点となっています。特に欧州ではこの業績が高く評価されています。 1918年にはノーベル化学賞の候補にノミネートされたほどです。 [参考URL] http://www.chemsoc.org/networks/enc/fecs/100greatest_20th.htm | 
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			世界最初のクロマトグラファーであるTswettは,分離の最適化をめざして実に多くの固定相や移動相の検討をおこないました。最適な分離を見つけることの難しさは,今のHPLCでも同じことです。世の中に1000万以上存在する物質を分離するためには,固定相や移動相の選択がたいへん重要であることを,最初からTswettが教えてくれています。 
			世界最初のクロマトグラファーであるTswettは,分離の最適化をめざして実に多くの固定相や移動相の検討をおこないました。最適な分離を見つけることの難しさは,今のHPLCでも同じことです。世の中に1000万以上存在する物質を分離するためには,固定相や移動相の選択がたいへん重要であることを,最初からTswettが教えてくれています。 
			[参考文献] (注: 2004.5.25 ) 以下調査結果を記載します。 (ご注意: 本ページへのリンクは自由ですが,写真や図などの無断転載はお断りします。) [ CAUTION: The contents of this site may not be reproduced without permission from Imtakt Corp. ] (文責:矢澤 到, 2003.8.15) | 
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