伝統的なシリカ系カラムは機械的強度は高いのですが,アルカリで溶けやすい難点があります。 一方ポリマー系カラムはアルカリには強いのですが,充てん剤が柔らかいために,有機溶媒濃度変化で充てん剤が膨潤収縮する結果,カラム性能が低下しやすいという難点があります。
また近年のアルキル架橋構造を有するハイブリッドシリカODSは,シリカ骨格の耐アルカリ性は強化されているものの,細孔表面にはオクタデシル基を修飾するためのシラノール基が必須であり,未修飾の残存シラノールをエンドキャッピングする必要があるため,表面的には従来カラムと同様のアルカリ浸食が懸念されます。
本製品の特長
新製品DACAPO DX-C18は,充てん剤としては世界初の「Dual-Matrix」構造を有しています。これはアルカリに弱い多孔性シリカの細孔表面を有機ポリマーで完全に被覆しつつC18リガンドを導入した表面構造で,耐アルカリ性と機械的強度を兼ね備えた特長があります。シリカ由来のシラノールをほぼ完全に遮蔽しているため,理論上は,残存シラノールによる非特異的相互作用がなく,シラノールが原因となるアルカリ加水分解も生じにくい,という利点があります。
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