ユーザーレポート | |
武蔵野大学 薬学研究所 |
蛍光誘導体化LC-MS/MS法によるタンパク質のプロテオーム解析 | |
Presto FF-C18 |
著者らは従来のショットガンプロテオミクスとは異なる新たな網羅的定量プロテオーム解析手法(FD-LC-MS/MS)を開発しました。これは東京大学・今井一洋名誉教授らによって開発された発蛍光誘導体化試薬
DAABD-Cl を用いる方法で,以下のプロセスによります。 1) DAABD-Cl によりタンパク質のSH基を修飾(FD化反応)する 2) 誘導体化タンパク質を網羅的にLC分離-蛍光検出する 3) クロマトグラムを比較し,統計的に有意なタンパク質を分取する 4) 分取タンパク質を酵素分解し,ペプチドをLC-MS/MSおよびデータベース照合により元のタンパク質を同定する この新規手法は,ショットガンなどの従来法に比べて以下の利点があります。 1) 試料の前処理操作が簡便 (ホモジナイズとFD化反応のみ) 2) 発蛍光試薬による高感度検出が可能 (発現タンパク質損失の恐れが少ない) 3) ピーク面積の有意差検定が可能な高再現性 (定量的・差異解析が可能) 著者らはすでに本法を用いて,C型肝炎モデル検証のほか,乳がん細胞株,大腸がん細胞株やスーパーオキシド過剰発現細胞などのプロテオーム解析で重要な成果を見出しています。 本法では数多くのタンパク質を分離するためのカラム性能が重要であり,細孔内に吸着しやすい多孔性カラムよりも,細孔を持たない非多孔性ODS カラム Presto FF-C18 に優位性のあることが確認されています。 ノンポーラスODS Presto FF-C18 はタンパク質の精密分離に重要な役割を担っています。 Imtakt Tecnical Information, TI808E (武蔵野大学 薬学研究所 一番ヶ瀬智子先生,今井一洋先生 ご提供) (文献) ・Efficient chromatographic separation of intact proteins derivatized with a fluorogenic reagent for proteomics analysis Tomoko Ichibangase, Itaru Yazawa and Kazuhiro Imai Biomedical Chromatography, 2013; 27: 1520-1523 ・発蛍光標識化タンパク質の網羅定量解析法の開発と応用 一番ヶ瀬智子 分析化学, Vol.64 (2015) No.7, p.511-517 |
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