ユーザーレポート

徳島大学大学院 社会産業理工学研究部



  酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体の温度応答性解析およびHPLCによる分離
Presto FF-C18 酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体(VAc-VOH)は両親媒性のため,溶媒混合比によって相転移や特異な溶解性を示します。本報告では,溶液中における共重合体のミセルや凝集状態に与える溶媒組成や温度の影響を,ノンポーラスODS Presto FF-C18による逆相クロマトグラフィーやNMRを用いて検討しました。
その結果,ほぼ同じモノマー平均組成にもかかわらず,VOH基がブロック性を有する共重合体で,一部保持されずに溶出する現象が認められました。これは共重合体がVOH基を外側に向けた親水性ミセルを形成することによって,ODS固定相との疎水的相互作用ができなくなったためと考えられます。
溶出ピークを分取しNMRなどの実験によって,保持された成分にはVAc組成が多く,保持されなかった成分にはVOH組成が多いことや,VAc-VOH共重合体がミセルを形成していることが示唆されました。

非多孔性充てん剤によるPresto FF-C18は,分離場である粒子表面において高分子外表面の疎水性を認識できる特性があるため,本研究のように同じような重合度でもミセル構造によっては保持が大きく異なる結果が得られます。
高分子分析研究に,ノンポーラスODS Presto FF-C18カラムが活躍しています。

第22回高分子分析討論会ポスター
(理工学部 右手 浩一教授,小川 修平様 ご提供)
 

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