ユーザーレポート

University of Utah

米国


  代謝異常スクリーニングにおける高分解能LC-TOF MSの有用性
Intrada Amino Acid フェニルケトン尿症では,Pheとその代謝物であるTyrの血中濃度分析が重要ですが,従来のLC-MS/MSよりも LC-TOF MSの方に優位性があるという結論が得られました。

Intrada Amino Acid (50x3mm) カラムを用いたAgilent 6550 TOF システムと, 生体アミノ酸分析用aTRAQ™キットを用いたAPI4000(MS/MS) を比較し,以下の結果が得られました。

1) TOF MSによる10分および1分分析では, 保持時間で±0.05 min,質量精度で±15 ppmという良好な値が得られました。

2) 両システム間のPhe希釈試料分析値の相関は概ね良好でした。

3) DL-β-アミノ酪酸に関しては, LC-TOF MSシステムで 保持時間±0.05 min,質量精度±17 ppm であったのに対し,LC-MS/MSでは通常試料の30%が検出できませんでした。

非誘導体化アミノ酸分析カラムIntrada Amino Acid を用いたLC-TOF MS法は,誘導体化 LC-MS/MS法に比べて作業的に簡便であり,分析値には大差のないことがわかりました。
LC-MS/MSのようにプロダクトイオンのためのフラグメンテーション条件を検討する煩雑さがなく,プリカーサーイオンだけで高精度に分析できるLC-TOF MSは,スクリーニング作業にはたいへん有用であると結論づけられました。

高精度LC-TOF MS と Intrada Amino Acid カラムは,代謝異常アミノ酸スクリーニングにおいて,簡便で迅速な技術を提供します。


MSACL2017 POSTER
(Courtesy of Julie A. Ray, ARUP Institute for Clinical and Experimental Pathology, University of Utah, USA)
 

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