ユーザーレポート


岐阜薬科大学



LC-IT-TOF MSによるスフィンゴ脂質測定系の開発
Cadenza CW-C18 セラミドを共通構造とするスフィンゴ脂質は,2種類の長鎖アルキル基を基本とする疎水性の高い化合物であり,一般的な細孔径(10-13nm)からなる低分子用ODSカラムよりも,細孔径30nmのワイドポアODS Cadenza CW-C18 の方が保持・分離バランスの点で良好な結果が得られます。

著者らは,ワイドポアODSカラムとLC-IT-TOF MSを用いて細胞内セラミドの測定系を開発し,その結果十分な感度とハイスループットが得られることを見出しました。
本法はアルツハイマー病(AD)のバイオマーカーとしてのセラミド分析に有用であると考えられます。


ワイドポアODSカラム Cadenza CW-C18 は疎水性の高いスフィンゴ脂質の LC-MS 分析で活躍しています。


口頭発表データ
(岐阜薬科大学 実践薬学大講座医薬品情報学 教授 中村光浩先生 ご提供)


(文献)
Interferon-γ Decreases Ceramides with Long-Chain Fatty Acids:
Possible Involvement in Atopic Dermatitis and Psoriasis.
Tawada C, Kanoh H, Nakamura M, Fujisawa T, Banno Y, Seishima M.
J Invest Dermatol 2014 ; 134 : 712-718. doi: 10.1038/jid.2013.364.

疎水性/親水性ハイブリッドODSカラムを用いた血漿直接注入による新規ミカファンギン血中濃度測定法の開発
Cadenza HS-C18 血漿中の薬物オンライン分析法は,分析カラムの他に除蛋白前処理カラムを必要とするため,システムが複雑になります。
Cadenza HS-C18 は親水性表面構造を有する疎水性/親水性ハイブリッドODSカラムであり,血漿タンパク質を排除することができるため,除タンパク作業を不要とするシンプルなグラジエントLCあるいはLC-MSシステムに適用することができます。

著者らは,Cadenza HS-C18 と HPLC-蛍光検出法を用いて,キャンディン系抗真菌薬であるミカファンギン(Micafungin)に関して類縁体を内部標準とする血漿中分析法を検討し,直線性や回収率,日内/日間変動など良好な結果を得ることができました。
本法は救急・集中治療領域の真菌感染症の迅速診断に有効と考えられます。


血清(血漿)直接注入カラム
Cadenza HS-C18 は,治療薬物モニタリング(TDM)の領域でも活躍しています。


口頭発表データ
(岐阜薬科大学 実践薬学大講座医薬品情報学 教授 中村光浩先生 ご提供)


(文献)
Direct-injection HPLC method of measuring micafungin in human plasma using a novel hydrophobic/hydrophilic hybrid ODS column.
Uranishi H, Nakamura M, Nakamura H, Ikeda Y, Otsuka M, Kato Z, Tsuchiya T.
J Chromatogr B 2011 ; 879 ; 1029-1032. doi: 10.1016/j.jchromb.2011.03.008.


Sphingosine kinase isoforms regulate oxaliplatin sensitivity of human colon cancer cells through ceramide accumulation and AKT activation.
Nemoto S, Nakamura M, Osawa Y, Kono S, Itoh Y, Okano Y, Murate T, Hara A, Ueda H, Nozawa Y, Banno Y.
J Biol Chem 2009 ; 284 : 10422-10432. doi: 10.1074/jbc.M900735200.


Implications of sphingosine kinase 1 expression level for the cellular sphingolipid rheostat: relevance as a marker for daunorubicin sensitivity of leukemia cells.
Sobue S, Nemoto S, Murakami M, Ito H, Kimura A, Gao S, Furuhata A, Takagi A, Kojima T, Nakamura M, Ito Y, Suzuki M, Banno Y, Nozawa Y, Murate T.
Int J Hematol 2008 ; 87 : 266-275. doi: 10.1007/s12185-008-0052-0.

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